遊び場を知ろう!

遊び場を知ろう!冒険遊び場をもっと詳しく知ろう

冒険遊び場づくりの歴史

世界で最初の冒険遊び場は、1943年に第二次世界大戦さなかのコペンハーゲン市郊外につくられた「エンドラップ廃材遊び場」です。(*1)

「廃材遊び場」を提案したのは、デンマークの造園家ソーレンセン教授です。こぎれいな遊び場よりも、ガラクタのころがっている空き地や資材置き場で子どもたちが大喜びで遊んでいる、という長年の観察にもとづいたものでした。この提案をもとに建築家ダン・フィンクがデザインし、初代プレーリーダー、ジョン・ベルテルセンと子どもたちによって、「エンドラップ廃材遊び場」がつくられました。

大戦直後、1945年にエンドラップを訪れたイギリスの造園家アレン卿夫人は深く感銘を受けてその思想を持ち帰り、ロンドンの爆撃跡地に冒険遊び場をつくり、世論を喚起して、冒険遊び場運動を隆盛させました。

イギリスで力強い大きな流れとなった冒険遊び場づくりは、発祥の地、デンマークに逆輸入され、やがて1950~70年代を中心に、スウェーデン、スイス、ドイツ、フランス、イタリア、アメリカ、オーストラリアにも広がっていきました。現在、ヨーロッパ全体で1,000カ所程度の冒険遊び場があります。

日本では1970年代半ばにアレン卿夫人の著書『都市の遊び場』が翻訳・紹介されるなどし、冒険遊び場づくりは全国で草の根的に広がりました。1990年代後半からは飛躍的に活動団体が増えています。

地域住民による運営が広がっているのは、世界的に見た日本の冒険遊び場づくりの特徴といえます。

*1 世界で最初の冒険遊び場「エンドラップ廃材遊び場」の初期に、プレーリーダ-と子どもたちが建てた高さ20mのタワー。
写真:大村璋子著「”自分の責任で自由に遊ぶ” 遊び場づくりハンドブック」(2000年 ぎょうせい発行)
*プレーリーダーは、ヨーロッパでは「プレーワーカー」「ペタゴー」などとも呼ばれ、各地で活躍しています。
*日本では、冒険遊び場は「プレーパーク」や「プレイパーク」とも呼ばれています。