しが冒険遊び場づくり連続講座・ワークショップ(第4回)【報告】しが冒険遊び場づくり連続講座・ワークショップ(第4回)
企画名 : しが冒険遊び場づくり連続講座・ワークショップ(第4回)タイトル : 冒険遊び場を今後拡げていくためには何が必要だろう?
担当者 : 渡部達也
実施日時 : 2010年11月20日(土)13:30~16:00
実施場所 : 滋賀県草津市立まちづくりセンター
依頼元 : しが冒険遊び場づくり実行委員会・滋賀県社会福祉協議会・滋賀県
実施内容 : 第4回の講師担当

送信者 講師派遣報告
(講師からの報告)
●今回の講座は、具体的にすぐやってみたいと思っている方々向けの講座ではなかったので、想定されるいろんな興味関心に応じたパワーポイント
をテレビチャンネルのように用意していきました。
●先ずは主催者からいただいたタイトルに合わせて、11年を経て、ようやく定着してきた冒険遊び場たごっこパークの経緯を紹介。
地域の方からの苦情や批判等により、開催場所を転々とした経緯とともにこのようなことを伝えました。
「本来は、子どもたちが自由に遊ぶということを地域の皆さん誰もが温かく見守ってほしい。」
「でも、現代の社会ではそれぞれの立場や利害があり、それすら難しいんだということがわかってきた。」
「そうした中で、冒険遊び場づくりの大切さに理解しない住民が悪いんだと一方的に理想や正義を振りかざしてもダメだと悟った」
「地域の中でどのように、ある意味ではうまくやっていけるかが大事である」
「共感の輪を広げつつ、行政やメディアとも上手に付き合い、子どもたちの自由な遊び場を保障していきたい」
「とはいえ、あまりに迎合したりするのではなく、ブレない思いも大切にしていきたい」
●受講のみなさんが関心を示されたのは「冒険遊び場のAKB(あぶなく、きたなく、ばかばかしい)」。
自分が主宰する冒険遊び場たごっこパークの子どもたちのAKB(あぶなく、きたなく、ばかばかしい)場面48シーンを画像で紹介。
こうした遊びに夢中になっているときに、子どもたちがいかに生き生きしているかを改めて感じてもらいました。
その48シーンの折々に子どもたちとの付き合いから感じたこと、学んだことなども伝えました。
たとえば、冒険遊び場たごっこパークの名物の一つである川への飛び込みについては、
「冒険遊び場の開催日じゃない日に、一人でここへ来て、繰り返し、飛び込んでいる子はいません」
「一緒に飛ぶ仲間がいる。見てくれる仲間がいる。共に喜ぶ仲間がいる。だから飛び込むんでしょうね」
「子どもたちが出会い、喜びを分かち合える場所が冒険遊び場なのかなと思います」
●次に受講のみなさんが関心を示したのは、「出会ったこどもたちとつないだ手」。
「大人から与えられるプログラムやイベントや時間割がないことだったり、禁止・規制が排除されているといった冒険遊び場の特徴ゆえにいろんな
子どもたちと出会ってきた」
「障害のある子ども、学校に行っていない子ども、学業成績オール1の子どもでも、冒険遊び場では、お互いがそれを先入観や偏見なく受け入れて
いくので居場所になっていくのではないか」
「また、様々な課題を抱えやすい思春期年齢の子どもにとっては、そうした抱えている課題なんか関係なく接してくれる幼児さんだったり、地域の
おじいちゃん・おばあちゃんだったりも集い、ふれあうということが自分の居場所を見出すことにつながっているのではないかとも思う」
「冒険遊び場を始めた当初は、悩みや課題、生きづらさを抱えた子どもたちとこれほどまでに出会うことになるとは想定していなかった」
「だけど、そうした子どもたちと出会うことで、ここに、冒険遊び場の、というよりは、市民活動の意義や役割があるんじゃないかと思うように
なった」
「冒険遊び場開催日以外の日にもいろんな子どもたちが自宅にふらっと来てくれる。それをいつも迎え入れ続けたいと思っている」
「求めに応じて、自宅に泊めてあげる子どももいるし、勉強を教えてあげている子どもたちもいる。伸ばしてきた手を握り返した以上、こちらから
は離さないという覚悟でいる」
●最後は質疑も含めてみなさんが関心を持った「遊び場で気になる子への理解と支援」について触れました。
「冒険遊び場では、たっちやん・みっきーの立ち居地は”暇そうな大人”なので、子どもたちが寄ってきて、いろんなつぶやきをしてくる」
「普段、全体の場では、『たっちゃん、今何時?』『織田ゆうじ』などと対応しているが、1対1のつぶやきの場面では丁寧に対応をしている」
「子どもにとっての自信、自分を信じるということは、他人を信じることと同義語だと思う。」
「仲間との遊びの中でそうしたものが培われたらいいなと思うし、自分たちも子どもたちを裏切らない大人でいたいと思う」
「ただ、冒険遊び場は教育の場ではないと肝に銘じながら、現場に立ち続けることも大事」
「大人だからそのさじ加減は難しいが、子どもに対して、大人の一般的な価値観に合うような変化を期待しないようにしたいと思っている」
「あくまでも遊び場なので、冒頭のAKBが繰り広げられる場となるように」
「数年前、イギリスの冒険遊び場が掲げているという”Better a broken bone than a broken spirit”(心が折れるより骨が折れるほうがまし
だ)というモットーに出会った」
「いろんな子どもたちと出会う中で、自分たちの活動の方向性にとてもしっくりと来る言葉だった」
「今、本当に心が折れてしまっている子どもたちが多い。今日も楽しかった。明日も楽しみだ。という日々を送ってほしいと願う」
「そうした環境を地域の中に築いていくために、冒険遊び場づくりなどを通して少しでもお役に立てたらと思っている」
「冒険遊び場づくりは地域の中での市民の活動です。その良さは、子どもたちを『見守り続ける』ことができるということだと思います」
「園や学校では、進級・進学により、毎年、担任との関係がリセットされてしまう。地域は違う。『あんたのこと、ちっちゃいときから知ってる
よ』という良さを生かしたい」
「学校では、とかく子どもたちが短所、欠点、苦手なことを指摘される。地域にある遊び場では、遊びの端々で見せる子どもたちの長所、利点、得
意を見守っていてあげたい」
●受講者からお寄せいただいた感想です。
・地域に足をつけている方の話を聞けて嬉しかった。自信は子ども時代の遊びから生まれると言われましたが、一方身近な人にどのように愛された
かが大切だと思います。だから遊びも出来るのです。愛される人間関係が一番大切だと思います。私はこの講座に参加してこんなにがんばっている
人がいることが嬉しかったです。ただ、私には少し障害があるのでこどもの見守りをすることしか出来ないのでこういう活動は出来ないと思うが、
知ることの必要性はあると思う。私は、私の出来る方法で子どもとの関わりを考えていきたい。
・家族揃って子どもへの関わりを大事にされていることをとても感じました。はらはらしながら見守る人の存在がどんなに大事かを再確認しまし
た。連続講座は内容が段階的にステップアップできて良かったです。
・AKB48を見ていた中で自分なら止めてしまいそうになる事を“子ども自身が作り出す遊び”という事を大切に自由にしているところがすごい
と感じました。私は保育者を目指していますが自分の物差しで子どもの遊びを測る事が多かったなと気づきました。自分の保育ではやはりここまで
尊重することは難しいと思います。しかし、自分が親になったときにこのような活動場で遊ばせたいなと思いました。
・本気で取り組まれている事。新たな公共へのチャレンジを各地で展開していきたいですね。
・私も幼稚園勤めが長く「学校側」でその中で出来るだけの事(こどもやりたいことを思う存分できる)ことを努めてきたつもりですが、やはり沢
山の子ども達が学校で受け入れてもらえないことが事例として聞けて悲しくなりました。同時にそういうたくさんの子どもに寄り添い支えてこられ
ているお話はどれも説得力のあるもので嬉しくなりました。(村山君がいいよ!と言っていたのがよく分かりました)。今、退職して森の幼稚園や
冒険遊び場をあちこち見せてもらいながら自身の道をさぐっています。「意図を持つと教育になる」という言葉が響きました。(分かっていたつも
りでしたが・・・・)
・各講座のインストラクターの子ども・自然に対する優しい気持ち(心)に感動と共感を覚えました。子どもの居場所の提供するヒントが得られま
した。
・たっちゃんのバランス感覚の良さ。いろいろやろうと思うと大きな事を求めてしまいがちだけど本質は一人一人のこどもとの関係にあるんだなと
改めて感じました。
・子どもにとってやりたいことが“遊び”。大人は見守る事が大切ということや信じ続けることが大切。子どもたちの心の開放が出来る居場所づく
りを進めることで自然と子どもが変わり、いきいきとした子どもの姿が見ることが出来るということが印象に残りました。
・遊びは「ばかばかしい」でいいんだ!!本当ですね。中2の息子も大きい休みの時に計画していることが大人から見たら「えっ!!」と思うこと
ですが、満足して帰ってきたことを思い出しながら聞かせてもらいました。
・子ども達が自由に楽しんでいる姿を見て、教育現場では出来ない姿がたくさんあって、たくさんの笑顔もあるように思いました。(特にスライド
の写真を通して)私は参加者ではありますが、子ども達がたくさん笑顔になれるように見守っていければなあと思いました。
・冒険遊び場が様々な子ども達の居場所になることについて改めて考えさせられました。貴重なお話をありがとうございました。
【報告】しが冒険遊び場づくり連続講座・ワークショップ(第4回)
企画名 : しが冒険遊び場づくり連続講座・ワークショップ(第4回)タイトル : 冒険遊び場を今後拡げていくためには何が必要だろう?
担当者 : 渡部達也
実施日時 : 2010年11月20日(土)13:30~16:00
実施場所 : 滋賀県草津市立まちづくりセンター
依頼元 : しが冒険遊び場づくり実行委員会・滋賀県社会福祉協議会・滋賀県
実施内容 : 第4回の講師担当
送信者 講師派遣報告 |
(講師からの報告)
●今回の講座は、具体的にすぐやってみたいと思っている方々向けの講座ではなかったので、想定されるいろんな興味関心に応じたパワーポイント
をテレビチャンネルのように用意していきました。
●先ずは主催者からいただいたタイトルに合わせて、11年を経て、ようやく定着してきた冒険遊び場たごっこパークの経緯を紹介。
地域の方からの苦情や批判等により、開催場所を転々とした経緯とともにこのようなことを伝えました。
「本来は、子どもたちが自由に遊ぶということを地域の皆さん誰もが温かく見守ってほしい。」
「でも、現代の社会ではそれぞれの立場や利害があり、それすら難しいんだということがわかってきた。」
「そうした中で、冒険遊び場づくりの大切さに理解しない住民が悪いんだと一方的に理想や正義を振りかざしてもダメだと悟った」
「地域の中でどのように、ある意味ではうまくやっていけるかが大事である」
「共感の輪を広げつつ、行政やメディアとも上手に付き合い、子どもたちの自由な遊び場を保障していきたい」
「とはいえ、あまりに迎合したりするのではなく、ブレない思いも大切にしていきたい」
●受講のみなさんが関心を示されたのは「冒険遊び場のAKB(あぶなく、きたなく、ばかばかしい)」。
自分が主宰する冒険遊び場たごっこパークの子どもたちのAKB(あぶなく、きたなく、ばかばかしい)場面48シーンを画像で紹介。
こうした遊びに夢中になっているときに、子どもたちがいかに生き生きしているかを改めて感じてもらいました。
その48シーンの折々に子どもたちとの付き合いから感じたこと、学んだことなども伝えました。
たとえば、冒険遊び場たごっこパークの名物の一つである川への飛び込みについては、
「冒険遊び場の開催日じゃない日に、一人でここへ来て、繰り返し、飛び込んでいる子はいません」
「一緒に飛ぶ仲間がいる。見てくれる仲間がいる。共に喜ぶ仲間がいる。だから飛び込むんでしょうね」
「子どもたちが出会い、喜びを分かち合える場所が冒険遊び場なのかなと思います」
●次に受講のみなさんが関心を示したのは、「出会ったこどもたちとつないだ手」。
「大人から与えられるプログラムやイベントや時間割がないことだったり、禁止・規制が排除されているといった冒険遊び場の特徴ゆえにいろんな
子どもたちと出会ってきた」
「障害のある子ども、学校に行っていない子ども、学業成績オール1の子どもでも、冒険遊び場では、お互いがそれを先入観や偏見なく受け入れて
いくので居場所になっていくのではないか」
「また、様々な課題を抱えやすい思春期年齢の子どもにとっては、そうした抱えている課題なんか関係なく接してくれる幼児さんだったり、地域の
おじいちゃん・おばあちゃんだったりも集い、ふれあうということが自分の居場所を見出すことにつながっているのではないかとも思う」
「冒険遊び場を始めた当初は、悩みや課題、生きづらさを抱えた子どもたちとこれほどまでに出会うことになるとは想定していなかった」
「だけど、そうした子どもたちと出会うことで、ここに、冒険遊び場の、というよりは、市民活動の意義や役割があるんじゃないかと思うように
なった」
「冒険遊び場開催日以外の日にもいろんな子どもたちが自宅にふらっと来てくれる。それをいつも迎え入れ続けたいと思っている」
「求めに応じて、自宅に泊めてあげる子どももいるし、勉強を教えてあげている子どもたちもいる。伸ばしてきた手を握り返した以上、こちらから
は離さないという覚悟でいる」
●最後は質疑も含めてみなさんが関心を持った「遊び場で気になる子への理解と支援」について触れました。
「冒険遊び場では、たっちやん・みっきーの立ち居地は”暇そうな大人”なので、子どもたちが寄ってきて、いろんなつぶやきをしてくる」
「普段、全体の場では、『たっちゃん、今何時?』『織田ゆうじ』などと対応しているが、1対1のつぶやきの場面では丁寧に対応をしている」
「子どもにとっての自信、自分を信じるということは、他人を信じることと同義語だと思う。」
「仲間との遊びの中でそうしたものが培われたらいいなと思うし、自分たちも子どもたちを裏切らない大人でいたいと思う」
「ただ、冒険遊び場は教育の場ではないと肝に銘じながら、現場に立ち続けることも大事」
「大人だからそのさじ加減は難しいが、子どもに対して、大人の一般的な価値観に合うような変化を期待しないようにしたいと思っている」
「あくまでも遊び場なので、冒頭のAKBが繰り広げられる場となるように」
「数年前、イギリスの冒険遊び場が掲げているという”Better a broken bone than a broken spirit”(心が折れるより骨が折れるほうがまし
だ)というモットーに出会った」
「いろんな子どもたちと出会う中で、自分たちの活動の方向性にとてもしっくりと来る言葉だった」
「今、本当に心が折れてしまっている子どもたちが多い。今日も楽しかった。明日も楽しみだ。という日々を送ってほしいと願う」
「そうした環境を地域の中に築いていくために、冒険遊び場づくりなどを通して少しでもお役に立てたらと思っている」
「冒険遊び場づくりは地域の中での市民の活動です。その良さは、子どもたちを『見守り続ける』ことができるということだと思います」
「園や学校では、進級・進学により、毎年、担任との関係がリセットされてしまう。地域は違う。『あんたのこと、ちっちゃいときから知ってる
よ』という良さを生かしたい」
「学校では、とかく子どもたちが短所、欠点、苦手なことを指摘される。地域にある遊び場では、遊びの端々で見せる子どもたちの長所、利点、得
意を見守っていてあげたい」
●受講者からお寄せいただいた感想です。
・地域に足をつけている方の話を聞けて嬉しかった。自信は子ども時代の遊びから生まれると言われましたが、一方身近な人にどのように愛された
かが大切だと思います。だから遊びも出来るのです。愛される人間関係が一番大切だと思います。私はこの講座に参加してこんなにがんばっている
人がいることが嬉しかったです。ただ、私には少し障害があるのでこどもの見守りをすることしか出来ないのでこういう活動は出来ないと思うが、
知ることの必要性はあると思う。私は、私の出来る方法で子どもとの関わりを考えていきたい。
・家族揃って子どもへの関わりを大事にされていることをとても感じました。はらはらしながら見守る人の存在がどんなに大事かを再確認しまし
た。連続講座は内容が段階的にステップアップできて良かったです。
・AKB48を見ていた中で自分なら止めてしまいそうになる事を“子ども自身が作り出す遊び”という事を大切に自由にしているところがすごい
と感じました。私は保育者を目指していますが自分の物差しで子どもの遊びを測る事が多かったなと気づきました。自分の保育ではやはりここまで
尊重することは難しいと思います。しかし、自分が親になったときにこのような活動場で遊ばせたいなと思いました。
・本気で取り組まれている事。新たな公共へのチャレンジを各地で展開していきたいですね。
・私も幼稚園勤めが長く「学校側」でその中で出来るだけの事(こどもやりたいことを思う存分できる)ことを努めてきたつもりですが、やはり沢
山の子ども達が学校で受け入れてもらえないことが事例として聞けて悲しくなりました。同時にそういうたくさんの子どもに寄り添い支えてこられ
ているお話はどれも説得力のあるもので嬉しくなりました。(村山君がいいよ!と言っていたのがよく分かりました)。今、退職して森の幼稚園や
冒険遊び場をあちこち見せてもらいながら自身の道をさぐっています。「意図を持つと教育になる」という言葉が響きました。(分かっていたつも
りでしたが・・・・)
・各講座のインストラクターの子ども・自然に対する優しい気持ち(心)に感動と共感を覚えました。子どもの居場所の提供するヒントが得られま
した。
・たっちゃんのバランス感覚の良さ。いろいろやろうと思うと大きな事を求めてしまいがちだけど本質は一人一人のこどもとの関係にあるんだなと
改めて感じました。
・子どもにとってやりたいことが“遊び”。大人は見守る事が大切ということや信じ続けることが大切。子どもたちの心の開放が出来る居場所づく
りを進めることで自然と子どもが変わり、いきいきとした子どもの姿が見ることが出来るということが印象に残りました。
・遊びは「ばかばかしい」でいいんだ!!本当ですね。中2の息子も大きい休みの時に計画していることが大人から見たら「えっ!!」と思うこと
ですが、満足して帰ってきたことを思い出しながら聞かせてもらいました。
・子ども達が自由に楽しんでいる姿を見て、教育現場では出来ない姿がたくさんあって、たくさんの笑顔もあるように思いました。(特にスライド
の写真を通して)私は参加者ではありますが、子ども達がたくさん笑顔になれるように見守っていければなあと思いました。
・冒険遊び場が様々な子ども達の居場所になることについて改めて考えさせられました。貴重なお話をありがとうございました。