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お知らせ日本冒険遊び場づくり協会からのお知らせです

宮前区民祭「出張冒険遊び場」実施業務委託

報告:宮前区民祭「出張冒険遊び場」実施業務委託

企画名:宮前区民祭「出張冒険遊び場」実施業務委託

担当者:嶋村仁志理事

実施日時:平成23年10月16日(日)

実施場所:菅生緑地(東地区)川崎市宮前区水沢1丁目

依頼者:宮前区役所 企画課

担当者 嶋村仁志の報告は続きをクリックすると閲覧できます

<当日に見られた遊びと様子>

・AM

午前中は乳幼児の親子が多かった。

段ボール遊びとブランコが中心。親子でロボットや剣、家などを作る風景も見られた。大人が段ボール遊びにはまっている様子。ただ、段ボールは幼児には固すぎて、手を出せない一面もあった。

ブランコを取り付ける。イメージがしやすいのか、まずはやらせたいという幼児連れの親子が多かった。列ができてしまう。

・PM

午後からは小学生やその親子も増え始めた。

モンキーブリッジを張る。4区画作ったが、一区画に10人以上の子どもが乗っていた。誰かと一緒に揺れているのが楽しそうだった。ゲームになっていた。

段ボールで作る自前のソリが流行り出す。ソリに子どもを乗せて豪快に引張るお父さんも何人か出始めた。

ロープ遊具は最後まで人気だった。ひとつでもよいから残してほしいという小学生の声もあった。

<場づくりの意図>

・作業意図としては、初めからあちこちに遊具を作り込まないようにした。そうしないと、サービスを提供する人とされる人という雰囲気ができてしまい、子どもと遊びが育っていくのを目の当たりにするという遊び場ができなくなってしまうからだ。そのため、まずは外観から整備することにした。カラーのガムテープでシートに文字を書いた横断幕は効果的だった。同時に、ハンモックを張った。

・二番目の作業としては、平らな公園で遠くからでも目立つように、高さのあるものを作るため、段ボールで家を作ることにした。その時点で、親子が立ち寄るようになり、段ボールで色んなものを作る遊び場が始まった。

・段ボールで遊ぶ子どもが増え始め、一通り遊んでしまった子どもも出てきたため、子どもの声が出たのをきっかけにブランコ・モンキーブリッジを作ることにした。その後は、子どもの声に沿って、モンキーブリッジを延長することにした。

・子ども同士がつながるきっかけとして、大きなソリやボールを作るなどした。シートへのお絵かきなども、その機能を果たした。

<危険について>

(工具の管理)

・冒険遊び場側のスタッフ専用のこぎりが、使用された後に本部に戻されていなかったため、段ボールカッター代わりに使用されていた。子どもが使用している時に気付き、使用後すぐに本部に戻す。

(ハザード)

・段ボールカッターがすぐに段ボールの下などに隠れてしまっていた。段ボールカッター入れを分かりやすい場所に設置するなどの考慮が必要だった。

・ぶらんこの動線が人の通り道と近かったため、大きな枝などを置いて動線をふさいだが、柵を立てるなどの対処も選択肢に入れてもよかっただろう。

<場の設営について>

(素材)

・今回の段ボールもよかったが、もっと子ども自身が親の力を借りずに扱えて、遊べる素材があってもよかった。段ボールは、親なしでは丸めるのは難しかった。その一方で、親子がコミュニケーションを取る手段にもなっていたと思うので、段ボールが悪かったわけではない。長いロール紙や新聞紙などの素材も考慮に入れてもよいだろう。

(場の配置)

・段ボールエリアは玄関口でもあったため、段ボール以外の素材も置かれていたらよかっただろう。ロープなどがあれば、大縄なども始まったかもしれない。

(遊具)

・ブランコは、やはり列ができてしまっていた。ただ、ブランコは分かりやすい遊具で、取っつきやすさとしては初めての親子にもよかったのかもしれない。遊びの入り口として考えれば、それ以外の場がどのように遊べるようになっているか次第で、遊び場の質を考えたい。

・ぶらんこは、遊びが個人で完結してしましがちだ。けれども、モンキーブリッジは、一本に10人近くが並んで遊べたこともあり、子ども同士がつながるきっかけづくりになった。また、<遊具=アトラクション>で冒険遊び場が終わってしまわない例としてよかったのは、長い紙ロールや、そりとして作られた段ボール・ロープだろう。このように終着点が決まっていないオープンエンドな素材や遊具を冒険遊び場の中心に備えたい。

(保険)

・受付を設けたが、強制的に全員を通らせなかったため、1/3くらいは漏れてしまっただろう。ただ、「広い緑地の中の一部の区画にちょっと参加するためだけに受付で名前と住所を書く」という仕組みは、今後の話し合いで考え直していく必要があると思われる。