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お知らせ日本冒険遊び場づくり協会からのお知らせです

報告:〔神奈川〕小田原市みんなの遊び場プレイパーク 上府中公園で遊ぼう!!

報告:〔神奈川〕小田原市みんなの遊び場プレイパーク 上府中公園で遊ぼう!!

企画名:みんなの遊び場プレイパーク 上府中公園で遊ぼう!!

   「つくって!あそんで!またこんど!」

担当者 :関戸博樹、岩倉朋代

実施日時:2012年7月27日(金)・28日(土)10:00-16:00

実施場所:小田原市東大友113上府中公園(多目的広場、ちびっこアスレチック)

依頼元 :小田原市建設部みどり公園課

実施内容:プレイパークの実施と事前打ち合わせの支援

上府中公園で、来場されたみなさんに配布したプレーリーダー紹介のプリントは下記です。

http://bouken-asobiba.org/info/2012/kamifunakaPL.pdf

■関戸博樹報告詳細

小田原市では地域住民による遊び場づくりの取り組みはあったものの、

行政からの支援は得られていなかった。

それが今回、行政主催で住民団体共催のプレイパーク実施にこぎつけられたことは大きな一歩だった。

 その大切な一歩がどの様にしたら「遊び場」としての成功となるかを考えて

実現することが今回の私のプレイリーダーとしてのミッションでした。

そのためには、もちろん子どもたちにとって「子ども本位で遊べる楽しい場所」

になっていること。そして行政や地域にも、そんな「子ども本位で遊べる楽しい場所」

の必要性が伝わること。という二つの側面が達成されるように丁寧に準備を

していきました。

 事前準備の場では、行政職員や地域の自治会の方からの信頼を得ること。

その上で事業の肝である「子ども本位で遊べる楽しい場所」をつくることの

必要性を確認するということ。この二点が重要だと考え臨みました。

 事業の目的が伝わるか伝わらないかももちろん大切なことなのですが、

どんな人かを知ることでの人への信頼が、取り組みへの信頼になるという

ことがあります。そしてどんな人が取り組むのかということは実は

受け入れる地域の方の関心事としては大きな比重をしめるからです。

 そして、信頼を得た上で、「子ども本位で遊べる楽しい場所」をつくる

取り組みだということの確認を行いました。この確認も重要で、子どもの

遊び場をつくるといっても、その場で大切にしたいことが「子どもが遊ぶ

こと」ではなく「大人が伝えること」だったりもする訳で、そこのズレが

ないかの確認は明快な言葉で行う必要がありました。

 幸い、「子ども本位で遊べる楽しい場所」への共感は得ることができ、

その後の場の配置や用意する物品などの打ち合わせには円滑に移ることができました。

しかし、やはり初の試みであるということの気負い、

やったことがないという不安感から遊びや道具の準備はやや過剰な

盛り込み方になっていきました。

  当日の開催前のミーティングで「メニューをこなすことは重要では

なく、遊びに来た人たちが何をやりたいかに意識を向けて動こう」と

確認をすることで、事前準備の際の過剰な盛り込みへの気負いはある程度

は解消されたように感じました。

 場の様子や当日のことで特筆すべきことは以下に羅列します。

①真夏の炎天下でも熱中症を起こさないようなダイナミックな水遊びのしかけとして、

広場の真ん中にプールをつくった。

更に開催中のシンボル&プールの日除けとなるような6mほどの大きな竹のティピを

配置して、ティピのてっぺんから散水用ホースでの放水シャワーがプールに

降り注ぐようにした。

→何十トンという貯水量の井戸水タンクのおかげで、2日間たっぷりの水で遊べた。

また、ティピに竹でつくった滑り台を付けたいという子どもたちのアイデアで

更に遊びが広がった。

②上記の水遊びはびっしょりになることと大きな子たちもダイナミックに遊んでいるので

入りにくい親子もいることが想定された。

ちびっこアスレチックのスペースは木陰も多く、木立を利用して小さな穴を

たくさんあけたホースを渡し、ミストシャワーを設置した。

→ここでは乳幼児と親が楽しむ光景も多く見られた。

③焚き火は遊ぼうパンを焼いたりするための大きなものと、子どもたちが自分たちで

火をいじれるような小さなものを二ヶ所用意した。

→大量の枯れ枝が用意されていたため、大きな焚き火へも子どもたちがどんどんと

枯れ枝をくべて炎があがるのを楽しむ様子が見られた。

小さな焚き火では子どもも大人も火を囲んで話し込む輪ができていた。

また、ウィンナーやラーメンなどの食事をつくって遊ぶ様子が見られた。

④泥山は大人が穴を掘ったり水を入れたりした後に子どもたちがたくさん遊び始めた。

2歳ぐらいの男の子の母親と話をしていて「やってほしいけどあまり遊びにいかない」

と言っていたが、「子どもはいきなり遊ぶとは限らない、彼なりにどう楽しもうかを

加減しているんですよ」と伝えた。様子を見ていると徐々に泥に触れ始め、

最後は首まで真っ黒になって遊んでいた。母親は「環境があれば遊ぶと思っていたけど、

人も大切なんですね」と後から気付いたことを伝えてくれた。

⑤子どもも大人もスタッフも「自ら楽しむ」遊び場としての質の高まりを期待したい。

⑥木工で子どもたちが一生懸命につくった作品、ほとんどの親が持って帰ることを

許容していたのが印象的だった。作品を持ち帰った子どもたちの喜びは倍だっただろう。

⑦一日目のスタッフ振り返りの場で、一人の行政の方から「子どもを見守るって

いまだにわからずにいます。」と率直な思いを発していただけたことは

二日目のスタッフの動きにつながる良いきっかけだった。「やり方に正解はなく、

自分が遊びに関わることや見守ることが子どもの遊びにとってどんな結果になっていたのか

に気付き、意識できるスタッフがいることが、『子どもにとって力になる』遊び場には大切」

ということを改めて共有できた。

 最後に今後の小田原市でのプレイパークの取り組みにとって、その必要性

や主旨が市民や行政にとって理解された今回の二日間になったと感じています。 

以上。

■岩倉朋代報告詳細

1日目会場に着くと、竹や土山、かまどブロック、木端、シャボン玉、タイヤプールなど、心惹かれるものがいっぱい!

何をどこに配置しよう?と話しながら設営を始めました。

かまどはどこにする?

上に木のないところだよね。穴を掘ったほうがよく燃えるよ。

木工は?

芝生の上だと釘が落ちたときわからないよね。シート敷こうよ。

ティピは?プールは?

ここはもっとこっちのほうがいいんじゃない?

リーダーだけでなく、みんなで話し合い、場所や置き方を決めていきます。

スタッフみんなで準備をしていると、子どもたちも準備に参加してくれました。

近所の園児たちが焚き火の薪を拾ってきてくれて、じゃあ新聞を使って着火しよう!という話から、

新聞を丸めて投げ合いっこになり、戦いになり…

広場をいっぱい使ってのおいかっけこは、

気付けばプールやシャボン玉、お絵かきなどいろんな遊びに移っていました。

どろんこの山に登ったかと思えば、穴掘りが始まり、泥団子、水遊び、どろかけ、おままごと…

1日目は、泥合戦が白熱!おとなも子どもも、みんな入り混じって戦っていました。

「うわぁやられたー!」

最初は逃げ回っていた大人の人も、一投命中すると諦めがついたのが、参戦!

子どもたちとと一緒になって、すごく素敵な顔をして遊んでいました。

最後はドラム缶(水)風呂にドボン。

泥落としー!と言いながら、そこでもひと遊びしていました。

それからカエル探し!

草むらがあるからか、小さなかえるがいっぱい!

中には両手いっぱいに集めている子もいました。

みんなが思い思いのところで遊んでいて、とってもいい雰囲気の1日目でした。

かわって2日目。

1日目よりも落ち着いた雰囲気で、それぞれがあそび込んでいるイメージでした。

1日目ちょっと失敗して上手にできなかったシャボン玉。

2日目は大成功!おおきなシャボンが飛ぶたびに、「おおー!」と声が上がっていました。

そして2日目ひときわ盛り上がったのはベーゴマ!

昔取った杵柄か、夢中になる男性陣。

そこに子どもたちも混ざって、熱戦が繰り広げられていました。

今日初めてやった という子もいて、ひもをまくのに手間取っていました。

が、最終的にはじぶんで巻いて回せるように。お母さんと一緒にずーっと頑張ってたもんね。

2日間通して人気だったのは、やっぱりかまどと水遊び!

あついあついと言いながら、マシュマロを焼いたり、ウインナーを焼いたり。

用意してあったパン生地を竹に巻きつけて焼いたり、フライパンで焼いたり。

自分で作ったものはおいしい!外で食べるから尚更かな?

ただ木を入れるだけでも、、見ているだけでも面白い。

火にはそんな不思議な魅力があります。

同じく魅力いっぱいの水。

しかも、用意してくれたのがホースが消防の散水ホース!

勢いと量がちがう!

水をためて、水遊びそしていたところにスライダー作りたいの声が出て、

子どもと大人と「どうやってつくる?」と話し合いながら作っていた姿が印象的でした。

そこまで激しい水遊びはちょっと…という子や小さい子には、ちびっこプールを用意しました。

こっちのプールは、なんとミストシャワーが降ってきます。

ホースに小さな穴をあけて、上から吊るしてあるものです。

これはお母さんや通りかかった人にも涼しいと好評でした。

さらに木工。

用意した木端がかなり大きめのものだったのですが、

みんなくじけず黙々と切っていました。

見守るお父さんお母さんが「それはちょっと大きくて無理じゃない?」といっていた木も

何度も休憩しながら、。最後まで諦めずに切っていた男の子。

満足そうな顔をして、作った作品を大事そうに抱えて持って帰りました。

全体を通して、子ども達だけでなくお母さん、お父さん、スタッフ

みんながいい顔をしていたのが印象に残っています。

自分のやりたいことを見つけてあそび込んでいる子。

黙々とベーゴマをやっている子。

泥山に掘った穴に水を貯めて、全身どろんこになって浸かっている子。

それを、怒るでも止めるでもなく「やっていいよ」と見守っているママさん。

こどもの作った大きな木工作品を、持って帰れないよといわず

「よく作ったね!」と笑って持って帰っていたパパママ。

いろんな素敵が溢れていました。

最後に…

自分もどろんこになって遊んでくれた市役所の方々。

子どもたちに遊びを広げ、一緒に遊んでくれていた中高生。

炎天下で動き回っていたスタッフの皆さん。

みんなのおかげで大きな事故なく、「楽しかった。また来たい」という声の多い2日間でした。

このままうまく定着していってくれたらいいなと思います。

お疲れ様でした。ありがとうございました。