私たちについて

私たちについて私たちは全国の冒険遊び場活動をサポートします

設立趣旨

冒険遊び場づくりをすすめよう!!

遊びは、子どもにとって生きることそのものです。子どもたちは野外での遊びの中で「自然」に触れ、さまざまな「人」とかかわり育ちます。大人にとっては時にうるさく、汚く、危なっかしい「遊び」ですが、子どもにとってはそれこそが魅力です。五感を十分に発揮し、興味に応じて自分のペースで創意工夫し、チャレンジできることはとても大切です。子どもは遊びながら失敗をも含むたくさんの実体験を重ね、人間として成長していくのです。

しかし、子どもたちの「遊び」を取り巻く環境は、厳しさを増しています。まちの中で自由に遊べる空間はほとんど無く、路地にまで入ってくる車だけでなく、犯罪に対する不安にも親たちは気を揉んでいます。この社会状況にも影響を受け、子どもたちの時間は学校以外にも塾や習い事やスポーツクラブ等と細切れに管理され、仲間と一緒に自由に遊ぶ機会は、非常に少なくなっています。

日本における冒険遊び場づくりの活動は、20数年前に当時の子どもの遊び環境に対する問題意識から、自由な遊びの世界を取り戻そうとした住民たちにより始まったものです。自由な遊びの展開のために、「自分の責任で自由に遊ぶ」というモットーを掲げ、危険や事故の責任を他者や管理者ばかりに追及する風潮に対し、問題を私たち大人一人ひとりのこととして捉え直すことが必要だと発信してきました。

遊びの主役は子どもたちです。私たち大人は、「子どもが遊べなくなった」と嘆くよりも、子どもたち自身が遊びたくなる場、「やってみたい」という欲求や興味を惹き起こされる場や環境を、どれだけ用意できるかを問われているのではないでしょうか。いきいきとした冒険遊び場を実現するためには、子どもの遊びに柔軟に対応できる住民運営であること、遊び場に子どもの視点から社会とかかわる「プレーリーダー」がいること、そして行政等との協働により安定した運営が行えることが望まれます。

1990年代以降、市民活動としての「冒険遊び場づくり」が全国に急速にひろがりました。しかし、それぞれのグループが場や資金、人材の確保など、運営の上で大きな壁にぶつかることも少なくありません。「冒険遊び場づくり」は、子どもを中心とするさまざまな広がりが期待できる活動であり、地域社会における必要性も高まっています。これまでの歴史やネットワークによる蓄積にもとづき、「冒険遊び場づくり」の理念と実践を普及し、全国で活動するグループそれぞれの自主性を尊重した助言や支援をするしくみとそれを実行する組織の確立が、不可欠であると考えられます。

私たち日本冒険遊び場づくり協会は、以下のような活動を通して、各地の「冒険遊び場づくり」を推進します。

  • 子どもの自由な遊びを支える重要な役割をもつ「人」の育成・研修を行います
  • 全国各地の「冒険遊び場づくり」に関する相談に応じ各種事業を通して支援します
  • 子どもの遊びを取り巻く環境の実態を捉える調査研究を行い、取り組みの指針を示します
  • 冒険遊び場に関する情報を発信し、現代における冒険遊び場の必要性を広く社会へ訴えます
  • 市民主体による冒険遊び場づくりを目指した計画や場づくりを行います

時に破天荒でものびのび遊ぶ子どもたちの姿に触れる時、私たち大人自身が、忘れていた「遊び心」を思い出したり、窮屈になってきている社会について気づかされることもあるでしょう。豊かな遊び環境は地域社会の宝です。私たちは、かけがえのない子ども時代を過ごすより多くの子どもたちが、自分の責任で自由に遊び、育っていくことを支える社会の実現のために、ここに特定非営利活動法人日本冒険遊び場づくり協会を設立することとしました。

平成15年4月28日